優性保護法について

今朝、テレビで優性保護法についてコメンテーターの人が、この法律を作った政府について批判していた。この法律が憲法の基本的人権を侵害していることは間違いないと思うが、昭和23年、敗戦後の日本で今とはくらべられないような貧困や社会不安の中、いわゆる障害のある人に対してどれだけの社会的支援ができたかわからない時代にできた法律。

優生保護法第一条 この法律は優性上の見地から不良な子孫の出生を防止するとともに、母性の生命健康を保護することを目的とする。 第二条以降に優生手術についての項目が続く。

筆者は福祉系の大学を平成17年に卒業、障がい者福祉論の講義で「優生保護法」と「らい予防法」が平成8年まで存続していたことに驚愕したことを思い出した。もちろん基本的人権を侵害した法律だとは思うが当時の医学的状況、障がい者に対する配慮がどれほどできていたかと思うと法律を制定した背景はわからなくもないが、医学的進歩や社会の安定してきた平成時代までこの法律が存在したことが問題であると思う。

筆者は大学時代、手話の講習会に参加した際、実際に講師をされていたろうあ者の先生から優生手術の話を聞きました。その方は男性の方でしたが、実際に優生手術を受けたことを涙ながらに話していたことを思いだしました。

現在は障がい者を取り巻く環境が変わってきて、バリアフリーとかインテグレーションという言葉も聞かれるようになりましたが、優性思想そのものは悲しいかな、なくならないと思います。これは障がい者に対するものだけではなく、人に優劣をつけることはなくならないと思います。色んな立場で色んな発言ができる現代はある意味健全であるとは思いますが。ただ、いつの時代も困った人を助ける、助けたいと思う心が維持できるような社会であってほしいと思います。

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